お客様から寄せられたご質問、新商品・サービスに関するご質問を掲載しております。
1. JTAGテスト・ツールを接続するために基板に盛り込んでおくべき回路は?
JTAG Technologies 社のTAP POD をUUT(お客様のターゲット基板)とご接続頂く際は以下に示すTAPに終端抵抗等をターゲット回路に盛り込んで頂くことを推奨いたします。
1-1. TRST 信号について
TRST 信号について特に指定の無いB.S (バウンダリスキャン・テスト対応)デバイスを使用している場合には、このラインを10KΩの抵抗で プルアップして下さい。
※最適な抵抗値は信号の負荷に依存します。
(注意)使用B.S デバイスにTRST 信号の取り扱い方が指示されている場合には、そのデバイスの指示に従ってください。(プルダウンされる場合は、コントローラの駆動電流に注意して下さい。) また、TRST 信号を持つ全てのB.S デバイスのTRST ピンは必ずバウンダリスキャン・コントローラに接続されるように回路を構成して下さい。
1-2. TDO 信号について
ターゲットボードのTDO 信号に、22Ωのシリーズ抵抗を入れて下さい。このシリーズ抵抗は、出来る限りTDO 信号をドライブするデバイスのピンに近い位置に配置して下さい。
1-3. TDI、TMS 信号について
このラインを10KΩの抵抗でプルアップして下さい。
※最適な抵抗値は信号の負荷に依存します。
1-4. TCK 信号について
抵抗68Ωとコンデンサ100pF をシリーズにつないだものをグランドと接続して下さい。
TAP信号の誤動作と終端処理の詳細につきましては、JTAGテクニカルニュース(JTAG Technical News Vol.6)をご参照ください
TAPはコネクタないし、テストパッドに接続することになります。コネクタをお使いの場合は、上の図をご参照ください。
※終端抵抗を内蔵したデバイスもありますので、必ずデバイスのデータ・シートを確認してください。
2. デバイスのバウンダリスキャン機能の動作がおかしいのですが、考えられる原因は?
現在バウンダリスキャン機能を搭載したデバイスが各デバイス・メーカーからリリースされていますが、IEEE1149.1規格に完全準拠に準拠していなかったり、デバイス自体の 問題でバウンダリスキャン機能が正常に動作しないというデバイスも少なからずあるようです。ここでは、お客様から良く伺う問題を挙げてみました。 まず以下の点にご注意頂き、それでも動作に問題がある場合はデバイスメーカーにご相談下さい。
2-1. デバイスのピン処理の有無
デバイスによっては特定のピンに固定信号を与えないとJTAG回路が動作しないデバイスがあり、このようなデバイスの場合には通常はBSDLファイル内にその旨が 記載されるようになっております。
BSDLファイル内の下記の記述箇所をチェックしてみて下さい。
(1)COMPLIANCE_PATTERNS記述
この記述部分に、JTAG機能を動作させるために必要なピン処理が記載されます。
例)
generic (PHYSICAL_PIN_MAP : string := "TQFP144");
まず始めの()内にピン名を、次の()内に設定値を記載することになります。
この場合、TEST1に”H”をTEST2に”L”を入力しないと、JTAG機能が動作しないということになります。
(2)DESIGN_WARNING記述
この記述部分にJTAG機能を動作させるための注意点が記載されます。
attribute DESIGN_WARNING of DEVICE_AAA : entity is
"This is a preliminary BSDL file which has not been verified." &
"This BSDL file must be modified by"&
entity is 以下の文章は、基本的に英文のコメント分となります。各行ごとに””&記述内に英文の注意文が書かれることになります。また、デバイスによってはBSDLファイル内に上記の記述がされていない場合もありますので、デバイスのデータシート情報もお調べ下さい。
2-2. 内部回路の有無
CPLDやFPGAなどの内部回路が書き返られるデバイスの場合、内部回路の構成によって BSDLファイル通りに動作しないデバイスも存在するようです。
電源投入後にコンフィグレーション回路を非アクティブにしたり、未書き込みデバイスを使うなどの工夫が必要となります。
BSDLファイルの詳細につきましては、JTAGテクニカルニュース(JTAG Technical News Vol.5)をご参照ください。