JTAGテクニカルニュース vol.1
MPUやFPGAなどは標準でバウンダリスキャン・機能が搭載されるケースも多く、JTAGテストのメリットがありそうなことがお分かりになるのではないでしょうか?
JTAG/バウンダリスキャン・テストを採用する企業
現在では、産業機器からコンシューマまでの高密度な組込み製品の実装テストに「JTAG/バウンダリスキャン・テスト(以下、JTAGテスト)」が適用されています。
その一部を以下に記します。
- コンピュータ
- 高機能携帯電話、多機能端末
- プリンタなどコンピュータ周辺機器
- 複合機/複写機
- 電子カメラ、電子ムビー
- 液晶TV、プラズマTV
- ゲーム機、アミューズメントマシン
- 計測機器、LSIテスタ、制御機器
- 標準バスボード(PCI、Compact PCI等)
- 自動車搭載電子制御ボード
これらの企業は何故JTAGテストを採用したのでしょうか?
JTAGテストはどんな基板に向いている?
これら採用企業の中から、複合機/複写機(MFP)のJTAGテスト検査適用という点を例に、説明してゆきたいと思います。
MFPとは、Multi Function Printer(多機能プリンタ)、Multi Function Peripheral(多機能周辺機器)、 Multi Function Product(多機能製品)の略称であり、一般的には、コピー、プリンタ、スキャナ、ファクスの機能 が一体になった機器のことを指しています。
近年、情報技術(IT)の発達により、オフィス市場以外でのMFPの使用が増えてきており、高速、高画質、高機能化が進んできているようです。
まず、これらMPF機器はどのような構成となっているか、概略ブロック図を書いてみましたので、ご参照ください。
ブロック図を見ると、外部インターフェイスなど、ほとんどがPC(Personal Computer)システムに似た構成であることがわかるかと思います。
とくに極微細クラックなどは、見つけられないケースも多いようです。
これらの外部インターフェイスは、専用のコントローラLSIやASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)など、 専用機能を搭載した設計がなされたデバイスが使用されています。
また、メイン・コントロール部には、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、一次記憶メモリ(SDRAM)、 Flashメモリなどのデバイスで構成されていることがわかるかと思います。
また、システムを構成するデバイスの多くは、高機能のためにピン数が多く、 高密度実装のためにBGA(Ball Grid Array)などの特殊パッケージを使用するケースが多くなってきています。
MPUやFPGAなどは標準でバウンダリスキャン・機能が搭載されるケースも多く、JTAGテストのメリットがありそうなことがお分かりになるのではないでしょうか?