BSDLファイルのEBSTファイル変換時のエラー対応方法について掲載しております。
ERROR 1:Pin A0*1 defined in PORT section but not found in BOUNDARY_REGISTER near line 571*2
上記のエラーメッセージが出力され、 EBSTファイルに変換できない場合の対応方法について説明します。
通常、BSDLファイルではバウンダリ・スキャン・セルが接続されているポート(ピン)は、”in”、”out”、”inout”と定義されます。接続されていないポート(ピン)は、”linkage”と定義されます。
上記のポート(A0)に関しては、バウンダリ・スキャン・セルが接続されていないにも関わらず”in”と定義されています。 この様な場合、この部分を”linkage”と修正する必要があります。
[修正方法]
BSDLファイルのポート定義部分 < port(~)の部分 >
port ( A0: in bit;
この部分をlinkageに修正する。
port ( A0: linkage bit;
ポート(ピン)にバウンダリ・スキャン・セルが接続されているかどうかの判断は、BSDLファイルのBoundary register定義部分 <attribute BOUNDARY_REGISTER of ISPLSI2064VE : entity is ~> を参照することで、判断できます。*3
attribute BOUNDARY_REGISTER of XXXX *4 : entity is
-- num cell port function safe [ccell disval rslt]
"0196 (BC_1, A(0), input, x)," &
上記コメント*5で、numがバウンダリ・スキャン・セルの番号、portがそのセルが接続されているポート(ピン)名を表しています。
ポート(ピン)にセルが接続されている場合は、この定義文中で定義されます。
*1 A0・・・BSDLファイルで定義されているポート名
*2 571・・・エラー箇所の行数
*3 一部例外として、OMPLIANCE_PATTERNS記述に記述されているポート(ピン)はBoundary register定義文中で定義されていません。
*4 XXXX・・・デバイス名が入ります。
*5 BSDLファイルでは、--でコメント文扱いとなります。
ERROR 1 : Cannot open input file' xxxx*1.all'
上記のエラーメッセージが出力され、 EBSTファイルに変換できない場合の対応方法について説明します。
このデバイスはプライベートパッケージを使用しているためBSDLファイルのEBSTファイル変換時にallファイルが必要になります。
デバイスメーカ様よりxxxx.allファイルを入手して下さい。
入手したxxxx.allファイルをBSDLファイルと同じフォルダにコピーして再度変換してください。
BSDLファイルには使用するバウンダリ・スキャン・セルの定義として以下のような記述があります。
use STD_1149_1_1994.all;
use xxxx.all;
この[use記述]は、使用するバウンダリ・スキャン・セルの定義ファイルを意味しています。
JTAGの規格(IEEE std. 1149.1)では、バウンダリ・スキャン・セルとして、あらかじめ幾つかのセルの構成が定義されております。
std_1149_1_1990.all ;1990年版のセル定義
std_1149_1_1994.all ;1994年版のセル定義
std_1149_1_2001.all ;2001年版のセル定義
BSDLファイルの[use記述]に記述されている名称が、この名前以外は、プライベートセルとなりますので、別途allファイルが必要になります。
*1 XXXX・・・allファイルのファイル名